Friday, August 23, 2013

le salon de thé | classic french madeleines

- why don't we . . . have french madeleines for tea? {魅惑の合羽橋とマドレーヌ} -


一目惚れだった。
たとえ、この先一度たりとも使うことが無くても、コレクションに仲間入りさせたい。
衝動としか表せない、そんな想いを胸に決断をしようとしたそのとき、見えてしまった。
20cm × 30cm。
. . . 。それって、入らないでしょ、うちのに?!

そんなわけで、合羽橋を訪れることになった。
断念せざるを得なかった、ゴールドのマドレーヌパンの代わりとなる、我が家の小さなオーブンレンジにも収まる焼き型を探しに。
サイズが合わないのだから仕方が無いけれど、あのマドレーヌの焼き型、可愛かったなぁ。



気を取り直して、
初めて訪れる合羽橋を見渡してみると、品揃えの豊富さにびっくりする。ありとあらゆる形・サイズの型抜き、見たこともないような大きさの業務用ボウル、ケーキ用のボックスや台 (板?)、かき氷機やエスプレッソマシーン等の機械類、本当になんでもある。今まで来たことがなかったのが本当に残念だ。



そんなことを思いながら歩いていると見つけた。
絶対にいいマドレーヌパン、いい製菓用品を扱っているお店を。きっと人間は本当に集中すれば、初めて訪れた場所でも、おびただしい数の選択肢の中からでも、良いものを選ぶことができる。. . . 気がする。

直感を確かめるため、狭くて、暗い階段を上がってみる。すると、やっぱり当たっていた。
店内には所狭しと製菓用品がたくさん並んでいて、特に焼き型の種類は豊富で、どれにするか迷ってしまうほどだ。銅製のカヌレ型の可愛さに感嘆しつつ、可愛くないお値段にたじろぎ、フランス製のケーキナイフやスパチュラをうっとり眺め、絞り袋用のノズルの種類の多さにびっくりし、特に買う予定のなかったタルト型とキッシュ型を選び、最後にそもそもの用事だったマドレーヌ型の前に立つ。焼き型と一言でいっても素材や大きさや製造元によって値段はピンからキリまであり、そんなことはさっきから見ていたタルト型やキッシュ型を手に取って分かっていたのだけれど、ここにきて混乱し始めた。



一番イイものを買うべきなのか . . . でも初心者だし、ここは手頃なものを選ぶべきか . . . いやいや、でもどうせ作るなら美味しいマドレーヌが食べたいし、それにはやはり一番イイのが . . . そもそも、一番イイものって何を基準に選べばいいのだろうか . . . ?
頭の中での自問が繰り返される。
ネットで買おうとしたゴールドのマドレーヌ型は、一目惚れで全く迷いがなかったのに、今選んだタルト型も溝の具合がちょうどよく可愛いから、しかも MATFER だからと一目惚れで選んだくせに、いざ用途を考えての買い物となると必要以上に慎重になってしまう。これだから直感型の人間は . . . 。

ずっとマドレーヌ型の前で立ち尽くしているわけにもいかないので (しかもいつの間にか閉店間際になり、蛍の光が流れ始めた)、3つほど異なる素材と値段のものをレジまで持って行き、お姉さんに聞く。
「どれが一番おすすめですか?」

お姉さんは親切に素材の違いと、その扱いやすさ、耐久性等について説明してくれ、仕上がりの良さについても触れてくれた。でも、もう既に思考停止に近い状態のせいか、脳がお姉さんの言葉をうまく処理してくれない。どうしよう、どうしよう。もう、どれでも良い気がしてきた。投げやり寸前だ。

目の前でフリーズしているわたしに、お姉さんは優しく付け加えてくれた。
「どれを選んでも、そこまでの大差はないですし、美味しいマドレーヌはできますよ。」

結局、中間の素材の、中間の耐久性の、中間の値段のものを選んだ。あんなに時間をかけて悩んだのに、平凡な選択をしてしまった自分を恨み、丁寧に説明してくれたお姉さんに申し訳なさが募り、疲れ切って帰路についた。ちなみに後日、初めて焼いたマドレーヌはお姉さんの言う通り、美味しく焼けたので、平凡であっても選択は間違っていなかったと分かり、少し救われる。


<ENGLISH VERSION AFTER THE JUMP>

why don't we . . . have french madeleines for tea?

合羽橋よ、恐るべし。次は、選択肢の多さに負けず、リベンジしたい。


* { classic french madeleines adapted barely from : the cook's ateliermadeleines }
— マドレーヌのレシピは上の画像をクリック or 以下 :



{ ingredients } 6cm×4cmのマドレーヌ約30個分
< マドレーヌ生地 >
無塩バター 130g
卵 3個
卵黄 1個
グラニュー糖 120g
塩 ひとつまみ
薄力粉 175g
ベーキングパウダー 小さじ1
オレンジジュース 大さじ2

< オレンジグレーズ >
粉砂糖 150g
オレンジジュース 大さじ2

{ how to }
1. 小さめの片手鍋で無塩バターを熱し、ほんのり色がつくまで溶かす。焦がし過ぎないよう注意し、完全に溶けたら火から下ろし、冷ます。
2. マドレーヌ型の準備をする。1 の溶かしたバターをマドレーヌ型に薄く塗り、薄力粉(分量外)をまぶし、逆さまにして余分な粉が落ちるよう、しっかりはたく。型を冷蔵庫に入れ、冷やす。
3. マドレーヌ生地を作る。ボウルに卵、卵黄、グラニュー糖、塩を入れ、生地がもったりするまで泡立て器でよく撹拌する。
4. 3 に薄力粉とベーキングパウダーをふるい入れ、さっくりと混ぜ合わせる。このとき、粉っぽさが残らないよう、しっかり底から生地を持ち上げるようにする。
5. 1 の冷ましたバターにオレンジジュースを加え、このバターを 4 の生地に加える。生地をしっかり混ぜながら少しずつ加え、生地とバターがしっかり混ぜ合わさるようにする。混ぜ合わさったらボウルにラップをかけ、冷蔵庫で生地を2時間ほど冷やす。
6. 2 で用意したマドレーヌ型に 5 の生地を型の3/4程度までスプーン等で落とし入れる。
7. 200℃に予熱したオーブンの上段で10-13分、ほんのり色づくまで焼く。焼き上がり後、10分ほど型に入れたまま冷まし、まだ温かいうちに型から取り出し、網の上で完全に冷ます。
8. オレンジグレーズを作る。オレンジジュースの中に粉砂糖を加え、かき混ぜる。作業環境の湿度や温度に合わせ、粉砂糖の分量は調節し、とろっとつやのある状態にする。
9. 7 の完全に冷めたマドレーヌに 8 のグレーズを塗り(今回は表面のみ塗ったが、好みで両面塗ってもok)、網の上で乾燥させる。グレーズが固まったら完成。

{ tips }
- 使用する型の素材によっては、焼き上がり後のマドレーヌを取り出しにくいことがあるが、バターを少し多めに塗っておくと取り出しやすくなる。
- 生地を冷やすことにより、マドレーヌの特徴のひとつである背面のふくらみができるため、しっかり冷やすことをおすすめする。

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