Friday, March 29, 2013

why don't we . . . make silver dollar pancakes for brunch this weekend?


silver dollar /ˈsɪlvər dɑːlər/ : 1ドル硬貨、特に銀でできたもの

silver dollar pancakes — この言葉の響きに惹かれて、朝早くからキッチンに立つ運びとなった。今週末のブランチは "マスカルポーネクリームとフランボワーズで飾る一口パンケーキ" と週の前半から決めていたのだ。

Friday, March 22, 2013

why don't we . . . make tiramisu cake?


コーヒーとココアのほろ苦さとクリームの優しい甘さが溶け合う大人のデザート、ティラミス。これは大好きなデザートのひとつ。イタリアンレストランに行けば必ずと言っていいほどメニューに載っているし、スイーツ好きでありながらも超がつくほどの甘党ではない人にビター系のこのデザートはぴったりなのだ。
ただ、このティラミスに唯一 (小さな) 不満があるとすれば、その見た目だ。甘さと苦さが奏でる素敵な味のハーモニーとは裏腹に、見た目はいまひとつ華やかさに欠ける気がしてしまう。小さい器でサーブされるものはまだしも、大皿からスプーン等で取り分けられたものは少し野暮ったく見えてしまうのは私だけだろうか . . . ?




それでもティラミスを随分と贔屓してきたと思う。特にティラミス味のアイスクリームは好物で、ハーゲンダッツの "ドルチェシリーズ" からティラミス味が発売されたときもしばらくハマっていたっけ。

そんなこんなで私とティラミスの付き合いは割と濃密 (?) なのだけれど、つい最近素晴らしいティラミスに出合った。iphoneにして以来、ずっと継続的にハマっているアプリ "instagram" を通じての出合いだった。

ご存知の方もたくさんいらっしゃると思うが、instagram は自分で撮った写真を世界中の人と共有できるアプリで、写真版ツイッターと言われている。(ベタな説明ですみません . . . )
このアプリは自分の写真をシェアするのも楽しいのだけれど、それよりも私を魅了しているのが世界中の人がアップしてくれる素敵なグルメ写真。人気のフードブロガーも多数利用しているアプリであるため、本格的なグルメ写真を発見することもしばしば。
そんな "IGer" (instagram利用者の総称) の中でも大のお気に入りの一人 "@linda_lomelino" さん。彼女は "call me cupcake" というスイーツブログを運営しているのに加え、地元スウェーデンのテレビや雑誌にも取り上げられ、本も出版している本格的なスイーツブロガー。故に、アップする写真も食欲を刺激するものばかり。その彼女の instagram で先日ティラミスの写真を発見した。これが、ただのティラミスではない。華やかで美しい "ティラミスケーキ" なのだ。

か、かわいい . . . 。お洒落な見た目に一目惚れし、早速、彼女のブログを調査する。美味しそうなものとなると面倒を面倒と思わなくなるこの性格。誰か、この食い意地を止めてやってっ。
しばらくサイト内を物色するとあるじゃない、例のティラミスケーキと更にシックなティラミストライフルのレシピ。作業工程にざっと目を通し、材料をメモして近所のスーパーへ走る。ものの20分で帰宅し (こういう時はスピーディー)、至福の作業時間に入る。

なるほど、トライフルはスポンジの代わりにフィンガービスケットを使用するのね。甘すぎるのは苦手だからコーヒーシロップは砂糖なしにしようかな。

自分アレンジを加えながら、ケーキとトライフルの両方を作ってみる。お洒落な見た目に匹敵するお味だったら感動ものだ。(それは私の腕次第という噂もあるけれど . . . )



その晩、初めて自家製のティラミスを食す。
lindaさん、あなたは美人な上に正真正銘のセンス溢れるスイーツブロガーなのね! と思わずパソコンの画面を拝みたくなる美味。lindaさんのお手本に習って、ケーキのスポンジはしっかり手間をかけて更に薄くスライスした方が良さそう等、私の作り方の改善点はあるものの、味は本格的なティラミス。よくある "ティラミス風の" レシピとは異なる気がする。もちろんトライフルも絶品。比較的簡単にできるので、これは是非試していただきたい。



why don't we . . . make tiramisu cake?

キャサリン‧ゼタ‧ジョーンズ主演の映画 "no reservations" (邦題 : 幸せのレシピ) で見た、イタリアンシェフの彼が作った本格的なティラミスをタッパーから直接スプーンで食べていたのも美味しそうだったけれど、通常のティラミスを華麗に変身させたこのケーキも捨てがたい。次の女子会で綺麗な薄いスポンジの層を披露するためには、しばらく特訓をすることになりそうだけれども . . . 。


* { tiramisu cake adapted from : call me cupcaketiramisù cake }
— ティラミスケーキのレシピは以下 :

Wednesday, March 20, 2013

spring things | a glimpse of the cherry blossoms in tokyo, 2013


" it was one of those march days when the sun shines hot and the wind blows cold : when it is summer in the light, and winter in the shade "
— charles dickens, great expectations



. . . and it seems, it is officially spring here in tokyo *

Friday, March 15, 2013

why don't we . . . make lemon tartelettes when life gives us lemons?


レモン。
爽やかな香りと太陽の光をそのまま吸収して再現したような色、つややかな薄い皮と酢とは異なる優しい酸味、その全てが淡い思い出を彷彿させる (?!) それはそれは素敵な果実。日本ではファーストキスはレモンの味 (だいぶ古いっ?) なんていう表現もあるし、青春や清涼感を連想させるプラスイメージの果物だと思う。




ところがそのレモン、欧米ではマイナスイメージで使用されるケースが多いことを随分大人になってから知った。具体的には "欠陥品" や "魅力のないもの" という意味で使用されるそう。更にはこんなことわざまで存在している。

"when life gives you lemons, make lemonade." ( "逆境をうまく利用せよ" )

なるほど。逆境をうまく利用せよ = 酸味の強過ぎるレモンには砂糖をたくさん足して、爽やかなレモネードにしてしまおう、といういかにもアメリカ人らしい言い回しに感心してしまう。そういえば洋書には物語の中でレモネードが登場することがよくある (例えば、スヌーピー率いるピーナッツ) けれど、こういうイメージが関係していたりして . . . 。



そんなことはさておき、このことわざを知ってから更に時が経った先日、スーパーで買い物をしていた。出掛け際に電話で話していた母親と些細なことで言い合いになってしまった。朝、お気に入りのカップも割ってしまったし、連日の寝不足も手伝って落ち込み度はマックス。
{ どうしてこうも嫌なことは重なるものなのか . . . }
そんなことを心の中でつぶやいたそのとき、通りかかった青果コーナーの文字が目に飛び込んできた。
「特売 無添加レモン」
近付いて品物を見てみると、均一な美しい黄色に程よいつやのある皮。重みもしっかりある。と同時に例のことわざが過る。
{ レモネードではないけれど . . . }
実は、最近ハマっているケーキ作りの次のお題にと企んでいた (悪いことではない?!) のがレモンのタルトだったのだ。特売になっているレモンを暗示と受け、この機会に計画を実行することにする。

家に着くや否や、早速作業に没頭。レモンをギュッと絞り、皮を丁寧にすりおろす行程でキッチンに広がる爽やかな香りでリラックスし、更にはタルト生地のpâte sucréeをしかり綿棒で延ばし、メレンゲを懸命に泡立てていると忘れていく。怒りも悩みも疲れも . . . 。
仕上げの行程に入る頃には肩の力が抜け、タルトを冷蔵庫で冷やし終え、お茶を入れる頃にはすっかり気分もリフレッシュされていた。ちなみに肝心なタルトのお味はというと、柑橘系の果物好き、更には大のタルト好きの個人的な意見になってしまうが、初トライにしては我ながら美味。(使用したレシピが良かっただけなんていう噂もあるけれど . . . ) 


why don't we . . . make lemon tartelettes when life gives us lemons?

生きていると辛いことや悲しいこともある。面倒なことや投げ出したいことも。でもそんな時は、負のスパイラルに自分を陥れる前に、その時間を普段はなかなかできない何かに没頭するチャンスと捉える柔軟性を身につけたい。ことわざの本来の意味とは少々異なるけれど、自分なりの逆境を乗り越えさせてくれる "レモネード" を模索したい。
今回はこのレモンのタルトだったけれど、次の逆境の際にはレモンのバタークリームで飾るレモンケーキを作ろうと狙っている。


* { lemon tartelettes adapted from : miette by meg ray with leslie jonath — lemon tartlettes }
— レモンタルトレットのレシピは以下 :

Friday, March 8, 2013

why don't we . . . value happiness we can buy?


サロン‧デュ‧ショコラ。毎年、一月の後半に開催される、チョコレート好きにはたまらないショコラの祭典。平日の昼下がり、私は訳あってその会場に出没していた。
「フォアグラサンド、最後尾はこちらです」
「サロン‧デュ‧ショコラ限定のセレクションボックスお買い求めの方、こちらの壁際にお並びください」
想像以上の賑わいで、人の波に押しつぶされそうになりながら、目的のブースを探す。それにしても、この平日にここまで人混みができるとは、さすがチョコレートの祭典。我が家のチョコレート好きと同じように仕事を抜け出してお宝はないかと物色している人もいるのだろうか?

そんなことをぼんやり考えながら (そして真冬にも関わらず、厚着と人々の熱気のせいで尋常じゃない汗をコートの中で流しながら) 、列の間を縫って歩いているそのとき! 濃厚なチョコレートのソフトクリームを食している可愛らしいキッズにぶつかってしまった。オーマイガッ!
「うわぁー、ごめんね、大丈夫?」
平然を装ってボクに話しかけつつ、思わず心の中で叫ぶ。
「いえ、大丈夫です。ほら、ぶつかってごめんなさいは。本当にすみません . . . 」
「いえ、こちらこそ、すみません . . . 」
ボクのお母さんに謝られながら、不自然な笑顔を浮かべてその場を立ち去り、離れたところで恐る恐るコートを見下ろす。右ポケットには "ノワール色" の歪んだシミ . . . 。ガーン。最大値の被害ではないにしろ、ショックはショックで、お気に入りのコートを着ていたことを激しく後悔してしまう。小さいぞ、自分。小さい。

結局、戻し切れないテンションを引きずりながら目的のブースに辿り着き、目的の板チョコレートをゲットし、お宝探しに消えていた彼と合流する。すると、その彼の手には件のソフトクリームがっ!
怪訝そうにソフトクリームに目をやり、一連の出来事を話しながら懸命にティッシュでコートのシミと格闘する。そんな私に彼は一言。

「一口食べてごらん」

. . . 美味しい。勧められるがままに食すると、濃厚な甘さと、熱気を和らげる冷たさが口の中に広がり、一瞬にして気持ちが穏やかになる。リッチな味わいに思わずうなってしまう。
結局、完食してしまった私を見届けた後、最後に彼が言った一言が印象に残った。

「まぁ、買える幸せってのもあるわけよ」



why don't we . . . value happiness we can buy?

幸せはお金で買えるものではない。幼い頃から漠然と学ぶことだと思う。でも日々の些細なショックやイラつきにこの買える幸せは持ってこいだと思うのは私だけかしらん?!

Friday, March 1, 2013

why don't we . . . bake apple tartlets?


日本には美味しいケーキ屋さんがたくさんあるからという理由で、ケーキなんぞ自分で焼いてみようと思ったこともなかった。海外で生活をしていた子供の頃こそ、母が焼いてくれるショートケーキや洋梨のタルトはどこのお店のケーキよりも美味しく、作ってもらえるとかなり嬉しかったけれど、日本に帰国してからは (そしてついでに言うと、あれから十何年も経っている今) 、デパ地下に行けば 「美味しそうでしょ〜、食べてみたいでしょ〜、よかったら連れて帰らな〜い」 と訴えかける繊細で素敵なケーキがシックにディスプレイされているし、ご近所にも美味しいパティスリーはある。だから小麦粉とバターまみれになって、自分で苦労して作ることなんてないのだ。




ところが、ネットサーフィン中にとある美しいフードブログに巡り合ってからその考えが一変した。
"what katie ate" — オーストラリア在住のkatieさんが綴るそのブログは、プロではない人が作ったとは思えない素敵過ぎるお料理が、臨場感溢れる写真で描写されている。完全にノックアウト。私もこんな美しい食べ物を作って (おっと、食べて) みたいんですけどっ!!
影響されやすく、良く言えば行動派、悪く言えばただ単純 (おまけにかなり飽きっぽいなんていう噂もあるけれど?!) 、完全に画面に映し出される写真から漂う香りの幻覚に後押しされて彼女の "pear and cinnamon frangipane tartlets" (洋梨とシナモンのフランジパーヌタルトレット) にトライしてみる。ところが、かなりレシピに忠実に作業したつもりだったのに、予想以上に画面の向こうの素敵な洋梨のタルトレットを再現するのは難しい。味もいまひとつ。
{ ゲッ! . . . なんで? }
首を傾げつつ、めげずに日を改めて再度チャレンジ。うーん、味はイメージ (あくまでも妄想の) に近付いたけれど、どうもフィリングのフランジパーヌがオーブンで焼く行程で溢れ出てしまって、カッコ悪い。これはいかん。でもここで諦めるわけにはいかない。昔から "程々に" ということができないこの性格、誰かなんとかしてやってっ。




毎回、出来損ないの試食 (いや、処理 . . . ?) を強いられる家族からの懇願により、一週間以上間を空け、更に洋梨をリンゴに代えて、三度目の挑戦をする。
フィリングは詰め過ぎず均一に、フルーツは可能な限り薄くスライス。呪文を唱えるように、ぶつぶつ自分に言い聞かせ、オーブンへ。そして、いよいよ焼き上がり。祈るようにオーブンの扉を開けると、そこにはフィリングの溢れ出ていないタルトがお行儀よく並んでいる。これって、ついに成功かしらん?!
まぁ、実際のところはまだだいぶ改善の余地ありだけれど、一先ず納得のできるものができた。なんて長い道のりだったのだろう。



why don't we . . . bake apple tartlets?

結局はリンゴのタルトレットになってしまったし、手間も時間も掛かって正直買っちゃった方が美味しいかも . . . なんて考えが頭を過ったのも一度ではなかったけれど、何とも言えない達成感が嬉しかった。katieさんのような美しい出来上がり (ついでに絶妙なスタイリングの写真) までは程遠いけれど、こんな時間の過ごし方も悪くないと思えるきっかけを作ってくれたkatieさんに感謝。次は、毎晩妄想で香りが漂ってくるまで読み込んでいるkatieさんの素敵なレシピ本の中の "バターミルククレープとシトラスコンポートのローズマリーハニー添え" に挑戦しようと計画中。


* { apple tartlets adapted from : what katie atepear and cinnamon frangipane tartlets }
— リンゴのタルトレットのレシピは以下 :