Friday, March 29, 2013

why don't we . . . make silver dollar pancakes for brunch this weekend?


silver dollar /ˈsɪlvər dɑːlər/ : 1ドル硬貨、特に銀でできたもの

silver dollar pancakes — この言葉の響きに惹かれて、朝早くからキッチンに立つ運びとなった。今週末のブランチは "マスカルポーネクリームとフランボワーズで飾る一口パンケーキ" と週の前半から決めていたのだ。


そもそも昔から小さくて、繊細なものに目が無い。例えばアクセサリーは華奢でシンプルなデザインのものが好きだし、文字も小さくて儚い書体が好きだ (これは自分の手書きの字がどうしても大きく、力強くなってしまうというコンプレックスからきていると分析)。instagramにもそういった理由でハマったと思うし、ケーキも大きくて華やかなホールよりも小さくて可愛らしいものが好み。だから、この一口パンケーキに惹かれたのも納得できる。但し、今回はサイズだけではなく、ネーミングに魅惑されたのだ。

美味しそうなネーミングならともかく、硬貨から付けられた名前の食べ物の一体どこに魅力を感じるのか分からない、と首を捻る彼のつぶやきはさておき、私のなかでネーミングはかなり重要視される。それは食べ物に限らず、色の名前だったり、本のタイトルだったり、ファッションだったらコレクションや商品の名前には俄然興味がある。余談だが、"heather gray" (杢グレー) という色は、"heath" という植物が群生している様子を彷彿させることから混色の毛織物のことをスコットランドやイギリス等で "heather mixture" と呼んでいたことから由来すると何かで読んだことがあるが、"heather" は女性の名前でもあるので、私は "heather gray" と聞くとこの優しいグレーの色が似合うブロンド髪の綺麗なお姉さんが思い浮かんでしまって、つい惹かれてしまう。

脱線してしまったけれど、そのぐらいネーミングで妄想を膨らませてしまう私は、この silver dollar pancakes に関しても様々な素敵なイメージを浮かべていた。今はあまり流通していないアメリカの "silver dollar" は歴史的でどこかヴィンテージ感があって、モチーフとしても美しい。そもそもシルバー (そしてゴールド) という単語自体かなり好みだし、コインは幸運を連想させる。パンケーキも、白いテーブルクロスが掛かったお洒落なテーブルセッティングの朝食を彷彿させるし、とってもフォトジェニック。こんなところかしらん?!

まぁ、連想ゲームは程々にして、焼き始めるとしよう。最初は綺麗な円の成形に少々苦戦しつつ、まず3個の一口パンケーキが焼き上がる。うん、なかなか可愛い。だけど待って。 . . . 3個。一度に3個しかできないってこと?! 生地を狙った箇所に上手に落とすことができれば一度に4個できる気もするけれど、それにしてもボウルの中の生地で少なくとも20個以上はできそうだ。げっ、ただでさえパンケーキを焼く作業は好きじゃないのに (待ち時間がどうしても苦痛になってしまう) . . . 頭の中で計算して一瞬ひるむが、このためだけに調達したフランボワーズと、週頭から描いていた完成図を思い出し、気持ちを立て直す。

結局、少々歪んだ円のものも入れてちょうど20個のパンケーキが完成した (すみません、少し大きく焼きました)。同じ大きさのパンケーキを重ねて小さなタワーを作り、ティラミス用のマスカルポーネクリームを上に盛る。お皿が大きめだったので横にも少しクリームを添え、フランボワーズを飾る。これこれ! イメージ通りでなかなか可愛いと自画自賛。

ちなみに、せっかくイメージ通りにできたにも関わらず、あまりの空腹にろくに写真も撮らずに平らげてしまった。食い意地が張っているとこういう結末になる。そして、朝からキッチンで作業をする私の一連の行動をチラ見していた彼の一言。
「普通に美味しいけど、普通のパンケーキでもよくない?」
. . . 。はい、手間も考え、次回からは普通にします。
とある週末の朝のお話でした。


why don't we make silver dollar pancakes for brunch this weekend?

こんな結末で全く説得力はないけれど、マスカルポーネクリームとフランボワーズが添えられた silver dollar pancakes、よろしければお試しください。

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