スーパーの青果コーナーが熱い。なぜなら、春になって大好きないちごがお目見えしているからだ。
「いちごが好きなの? そんなの初めて聞いた」
今にも聞こえてきそうな友人の声が頭を過るが、実は大のいちご好きである。プロフィールの "好きな食べ物" 欄に書こうとしたこともあったが、そんな可愛らしいこと書けるようなキャラじゃないない、と自粛し、今まで伏せてあった (ちなみにいちごの代わりに書いた好きな食べ物は "パイ生地" という我ながら意味不明なものだったこともここで告白しておこう . . . )。
いちごを好きになったきっかけは今でもハッキリと覚えている。それは子供の頃の家族旅行で、父が特別に注文してくれたアルコール抜きのフローズンストロベリーダイキリを飲んでから。当時はそんな父の気の利いたサービスに子供心ながらに感激したが、今思うとお酒が好きな父が、娘と一緒に飲む雰囲気だけでも味わおうとしただけなのではないかと疑ってしまう。父よ、本当のところはどうなのよ?
そんなエピソードからいちごが好きになり、今でもこの季節になるとスーパーの青果コーナーを素通りできずに、陳列されているパックについ手を伸ばしてしまう。よく、みかんを食べ過ぎると手が黄色くなると言うけれど、いちごを食べ過ぎて手がほんのり赤くなり始めたらどうしよう . . . 。
いらぬ心配はさておき、いちごを食べる際の個人的なこだわりは、いちご本来の味を味わって食べること。できれば牛乳やヨーグルトと混ぜたりせずに、いちごのみで楽しみたい。だってあの酸味が醍醐味だと思っているから。でもそんな個人的なルール (?) を破ってでも食べたいと思うスイーツがひとつだけある。それが自家製のいちごのババロア。これは子供の頃、祖母と一緒によく作った思い出のスイーツで、大きなドーナツ型に流し入れ、冷やして固めたものを型から出す瞬間がたまらなく素敵に感じたのを覚えている。一度なんかは、ゼラチンの分量を間違えて上手く固まらなかったにも関わらず、どうしても型から外して食べようと祖母を説得して、大皿にあけてもらった。案の定、型から外した瞬間に見事に崩れてしまったけれど、
「あら、"フルーチェ" と同じね」
と個別の器に盛りつけてくれた祖母の言葉を聞きながら食べたそれは、格別だった。本当はこういう祖母との楽しい思い出があって、好きになったのかもしれない。
そのいちごのババロアをつい先日、久しぶりに祖母と作った。私の手順の悪さで、またも "フルーチェ" になるというオチつきだったけれど、美味しさは健在。そして美味しさを再確認したところで作ったのが今回紹介するいちごのシャルロット。正式名称 "strawberry charlotte russe" (russeはフランス語でロシアの意味) のこのシャルロットは、19世紀にフランス人シェフ "Marie-Antoine Carême" が、当時仕えていたロシア皇帝アレクサンドル1世の元で考案したものらしい。少し手間は掛かるけれど、華やかで色合いが可愛らしい、春の訪れにぴったりのケーキだ。
why don't we . . . celebrate spring with strawberries?
この季節に楽しみたいいちごのスイーツ。今年はあと何回作れるだろうと (密かに) ウキウキしてしまう。ちなみに今回のシャルロットを作った際の山場は、今回はフルーチェになってもらっては困ると祈るようにババロアを冷蔵庫に入れた瞬間だったということは公表しない方がいいですか . . . ?
* { strawberry charlotte adapted from :
miette by meg ray with leslie jonath — strawberry charlotte }
— いちごのシャルロットのレシピは以下 :